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浅田次郎 プリズンホテル・第7話 [プリズンホテル]

「『これ以上、苦しみたくない。頼むから助けてくれ』――。酸素マスク越しに、何十秒もかかって彼がやっと絞り出した言葉です。『ムリです(安楽死は犯罪ですから)。死ぬまでのあいだ、苦しんでください』――。そんなこと言えますか。ぼくには言えません。かなえてあげたかったんです、患者の最後の望みを。ぼくのしたことを許せませんか」



「医師が救うことを放棄したら、負けなんじゃない? (中略) どんな理屈こねたって、患者を死なせたら負け。患者の前から逃げ出したら、医師失格なのよ」



「死ぬことが負けなら、この勝負に勝てる人間はひとりもいません。死神の圧勝です」
「でも、その死神に挑むのが、あたしたちの仕事でしょ」



「誰も死からは逃れられません。(医師は)終末期を迎えた患者になにができるんでしょうか。死を遠ざけることだけが正解なんでしょうか」



「このホテルには、いろんな事情や問題を抱えた客人が大勢やってくる。だが、その問題を解決するのはオレたちの仕事じゃねえ。(中略) たとえ悪魔が来ようが受け入れる。それだけのことだ」



「あたしは あたしのやり方で(患者を)救う。だから、あんたは あんたのやり方で救って。あたしに認めてほしければ、ここで負けるな」


BSジャパン/2017年11月18日放送
【脚本】
青塚美穂/【原作】浅田次郎
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