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獣になれない私たち・第10話(最終回) [獣になれない私たち]

「ひとに優しくされると、自分が優しくないのが、くやしくならない?」



「あたしが(子宮摘出の)手術したとき、あのとき、カイジが言ってくれたんだよね。くれちんは なにも失ってないって。イモムシがチョウになるとき、サナギの中で劇的に変化する。それは、ちっちゃなイモムシ自身の力で変化しただけ。くれちんは新しい くれちんになっただけ――。それを聞いて、カイジにプロポーズしたの」



「社長が言うように、社員は替えが利きます。だけど、わたしたちにとっても、上司は替えが利くんです。社長の怒鳴り声は、まるで恫喝です。普通に話してほしいんです。矢継ぎ早の命令も、追いつけません。みんなが社長と同じじゃないんです。社長以外 全員ボンクラなら、社長の言葉は社員の誰にも通じてないことになります。悲しいと思いませんか。わたしは悲しいです、社長と言葉が通じなくて。一方通行の関係は、しんどいです。わたしは社長の下で働く人間です。人間・・・人間だから、うれしかったり、悲しかったり、間違えたりもします。もう限界って思ったりもします。いままで、お世話になりました。自分を殺して、本当に死んでしまう前に、辞めます」



「こんな不正はどこにだってあるだろ。おまえの人生を賭けることはないんだよ」
「逆です。取り戻そうと思ってます」


TBS/2018年12月12日放送
【脚本】
野木亜紀子
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