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ストロベリーナイト・サーガ・第11話(最終回) [ストロベリーナイト]

「警察とヤクザ、両方やって よくわかった。警察は本気で悪人を叩こうとはしないし、悪人は叩かれたところで、反省なんて なにひとつ していない。やつらにとっては、刑務所なんて別荘程度でしかない」



「(実刑 食らって)10年、15年、勤めたって、(シャバに)出たら、なにをやろうか、どういった家に押し入ってやろうか、どうやって他人をだまそうか、かえって刑務所ムショで知恵つけて、タチが悪くなって帰ってくる」



「わたしは17才の夏、見知らぬ男にレイプされた。犯人は逮捕された。強姦だけじゃなく、ひとり殺しているから、そいつは いま まだ塀の中にいる。でも、それだけじゃ、なんの解決にもならない。傷ついたこの体は二度と もとには戻らないし、途中で抵抗をやめて その男を受け入れた自分は一生 許すことはできない。男のひとを愛する資格なんて わたしにはないし、愛される自信もない。鏡を見る度、いまでも思う。この呪いを解く方法があるとしたら、あの男をこの手で殺すしかない。あいつさえ殺せば、全部きれいさっぱり消えてなくなるかもしれない。だから、何度も殺した。何万回、何百万回、頭の中であいつを殺してきた。刺し殺して、撃ち殺して、絞め殺して、殴り殺した。テレビで殺人事件のニュースを見る度に、自分だったらこうする、こうやってあいつを殺してみせるって、あたしはそんなことばかり、狂ったように考えて生きてきたのよ、事件後の人生を。それでもね、そんな わたしにも生きていける場所はあったの。警察があたしの過去を知らないはずがない。それでも黙って、あたしに生きる場所を与えてくれたの。それで、少し許されたって感じられた。あたし、生きていいんだ。まだ、死ななくていいんだって思えた」



「わたしたちの中には殺意がある。憎しみも消えない。これは もう しょうがない。だって、消えるはずがない。体はあの屈辱を覚えている。同じ体で生きている以上、忘れることなんてできない。でも、この憎しみや殺意は、実は愛情の裏返しなんだって、そういうふうには考えられないかな。自分を大切に思っているからこそ、傷つけられると、悔しいし悲しい。誰かを大切に思っているからこそ、その誰かが傷つけられたら、殺したいほど憎くなる。憎しみや殺意だけじゃなくて、わたしたちの中に愛情もたくさんあるんだって、そういうふうには認められないかな。お願い、その銃を置いて。いま あなたが銃を置いてくれたら、わたしの仲間を殺さずにいてくれてありがとうって言える。償うべきことを償えば、あなたなら必ず出てこられる。ツラいかもしれない。なかなか生きる場所が見つからないかもしれない。だったら、そのときは わたしのところに来て。わたしが許すから・・・ほかの誰かが許さなくても、わたしがあなたを許すから。だから、お願い、いまはその銃を置いて」


フジテレビ/2019年6月20日放送
【脚本】
徳永友一/【原作】誉田哲也
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