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ノーサイド・ゲーム・第1話 [ノーサイド・ゲーム]

「社内政治で結論が変わるような意見書なら、はじめから ないほうがマシです」



「わたしはサラリーマンだ。手柄を立てたい。本社に戻りたい。出世したい。そう思うことの、なにが悪いんです。きみたちこそ、どうなんだ。きみたちは最初に、こう言った。目指すはワールドカップ日本代表。プラチナリーグ優勝、と。でも、本音はどうだ。リーグ優勝なんて、夢のまた夢。実際は、リーグ脱落だってあり得る。現状維持ができれば万々歳ってところか。企業でいえば、今年は大して ものが売れませんでした。来年もこの調子で、もう少しだけ頑張りましょう――。ふざけるな。そんな危機感のない会社は、即刻つぶれる。そんな社員は、即刻クビだ。サラリーマンに努力賞なんてものはないんだよ。この世界、正義が勝つんじゃない。勝った者が正義なんだ。勝者は喝采を浴びて、敗者は批判にさらされる。ラグビーだろうが、ビジネスだろうが、それは同じだろ。リーグ残留でいいだと? 冗談じゃない。残留どころか、2位でもダメだ。はなからトップを狙わなければ、売上げなんか出せない。勝てるものも勝てないんだ。きみたちのその目標が、すでに負け犬なんだよ。(中略) いいか、きみたちは いま どん底だ。それをまず自覚しろ。そして、あとは上だけを見ろ。もちろん優勝だよ。プラチナリーグで優勝するんだ。それならば、誰も文句は言えない。誰だって価値がわかる。このチームはきっと勝ってくれる。そんな期待を抱かせるチームだったら、客は観にくる。試合を観ていた父親が、今度は子供の手を引いて、次は友人を連れてくる。きみたちが勝つことで、その輪は大きく広がり、ラグビーの文化、精神が、この世に大きく広がっていくんだ。それが本当の社会貢献というやつだろ」


TBS/2019年7月7日放送
【脚本】
丑尾健太郎/【原作】池井戸潤
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