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やすらぎの刻 ~道・第112話 [やすらぎの刻]

「泣きたきゃ、泣きゃいい。(家族が死んだんだ、)男はこういうときにこそ泣くもんじゃ。泣いたって、べつに恥ずかしいことじゃない。(中略) だがな、これからは天涯孤独だと、そういうふうには考えるな。おまえらには、いつだって まわりにひとがいる」



「戦争は嫌だな。戦争はケンカじゃ。それも、なんの恨みもない、会ったこともない相手とのな。こういうことを考えたことがあるか。東京に爆弾を撒いていった敵兵、あいつらだって、自分の殺してる日本人を誰ひとり知らんで殺しよったんじゃ。なかには、なんの恨みもないのに どうして こんなことせにゃいかんのかと、泣きながら爆弾を落としていったやつがいたかもしれん。自分の殺しとる敵の人間が、自分の親父や、おふくろや、兄弟や、そういうモンだったら どうするんじゃと、そういうこと考えて、泣きながら爆弾 落としていったやつがいたかもしれん。きっと、そういうやつが おったと思うんじゃ。おらんはずがない。きっと、必ずおったと。おったはずじゃ。そういうモンがいることを考えると、わしは悲しくて涙が出る。戦争っちゅうのは、そういうもんじゃ。殺す理由などない者を、敵というだけで、国が違うというだけで、ただ訳もなく殺し合うんじゃ」


テレビ朝日/2019年9月10日放送
【脚本】
倉本聰
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