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庶務行員 多加賀主水3 [日曜プライム]

「自分の出世のため、ノルマをこなしてるだけの人間が “いい銀行員” だと思いますか。知っていますか、いまの銀行員は審査プログラムに融資する会社のデータを打ち込むだけで、融資の可否を決めるんです。むかしの銀行員はそうじゃありませんでしたよ。融資先のことを、自分の足でとことん調べて、将来性とか、可能性とか、検討して・・・。でも いまは、そんな行員、ほとんどいない。その審査プログラムが『ノー』という結論を出したら、融資はしないんです」



「あなたたちは(中略) 押しつけられたマニュアルに ただ従うだけで、自分の頭で なにか考えてるのかなって、思っちゃうんですよね。やれ世の中が悪いから、いまは お金なんか借りてもらえない。ノルマを押しつける上司が悪い。全部、ひとのせいだ。あなたたち、安パイ通し続けて、この銀行の中でいかに生き残ろうかって、そんなことばっかり考えてんじゃないですか」



「むかしの銀行員さんは、もっと あたしたち(商店街)の話、聞いてくれたよ。でも いまは、こっちから相談に行っても、話も聞いてくれやしない。電話一本で『融資はできませんね』って断って、それでおしまい。どうして、銀行はそんな冷たいところになっちゃったの」



「いまの厳しい社会情勢の中で、銀行も生き残っていかなくちゃいけないっていうのは、よくわかりますよ。でもね、だからといって、絶対にリスクのないところにしか融資しないってのは、やっぱり、ちょっと おかしいんじゃねえかなあ」



「収益の効率性という観点から見て、(浅葉営業統括部長が導入した)支店評価システムほどの有効なシステムは、ほかに存在しないかもしれません。しかし、支店評価システムには決定的な過ちがあるんです。それは、わたしたち人間の可能性を信じていないということです」



「あんたが作ろうとしてた銀行は、銀行のための銀行なんですよ。あなたが頭取になった銀行は、誰ひとりとして幸せにすることはできない。いま必要なのは、ひとを幸せにすることができる銀行なんじゃないですかね」


テレビ朝日/2019年11月17日放送
【脚本】
李正姫/【原作】江上剛
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