破天荒フェニックス・第１話 [単発]
「あんたさ、大事なこと、忘れてない？ だって、この会社は もう実質 倒産してるんだよ。社長が買収に手を挙げなかったら、この会社はいまごろ、良くて民事再生、悪ければ破産で、そうなってたら、あんたの言う『積み上げたシステム』も『20億の売上』も消し飛んでるわけだよね。つまり、あんたが威張ってるそれって、もうとっくに死んでる ご自慢なんだよ」
「誰にでも できることを、誰にも できないレベルで仕上げるひとこそが、特別なんだよ。カレーは誰にでも作れるけど、誰にもマネできないカレーは、お金 払って食べるしかないじゃん」
「リストラ、ダメ。メガネ屋って、ひとが大切だから。全国にある うちのお店 回って わかったけど、メガネ屋って、視力測定とか、レンズ加工とか、ひとが生み出す付加価値が大きいじゃん。いまうちは20億の売上があるけど、メガネの粗利率が７割だとして、14億はいまのサンデーズのスタッフが生み出してるんだよ。（中略） リストラなんかしたら、お店に置いてある商品 捨てるようなもんでしょ」
「自分のこと、小さな器って、決めつけちゃったら、その大きさの中身しか入らないもんね。（中略） 自分を小さく見積もるってことは、自分のことを好きな誰かのことも、窮屈にさせるってことだよ」
「いま わたしの目の前に いらっしゃるのは、なじみのあるサンデーズ（の経理）さんでは ないようなので、あくまでも数字だけを見て判断させて頂きますが、今後 一切の期限の更新と新規融資はお断りさせて頂きます。スリーサイズが書かれたプロフィールを見て、その女性を判断するようで（こちらとしても）不本意です。女性の魅力というものはスリーサイズなんかで判断するべきではなく、数値化できない 雰囲気や愛嬌などで測るものです。しかし、スリーサイズでしか その女性を知る術がないとしたら、その数値で判断するしかないですよね」
「古臭いより、青臭いほうが、よくないですか」
テレビ朝日／2020年1月3日放送
【脚本】櫻井智也／【原作】田中修治
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