天国からのラブソング

「康子さん、今日は あなたとの結婚記念日ですね。わたしが生きていたら、音楽、花束のプレゼントを用意できたのに、本当に申し訳ありません。先に逝ったこと、さびしい思いをさせたこと、心細い思いをさせたこと、康子さんを置いて行ったこと、まことに申し訳なく思っております。だが しかし、わたしの人生で、康子さん、あなたが いなくなり、わたしが あなたのいない この世に生きるということは残酷なことであり、それだけは迎えることはできない。あなたに人生を捧げ、すべてを捧げつくしたつもりでございます。最後の最後、康子さんに看取られ・・・それが、わたしの唯一の わがままと解釈させてください。姿は見えなくなりますが、わたしは康子さんのそばにいますから。今世も、来世も、あなたにつくし、つくす側にいさせてください。悔やまないでください。ちゃんとそばにいますから。本当にそばにいますから。時がきたら、わたしが迎えに参りますので、それまでは この いまの世界で笑っていてください。あなたから離れないことを誓います」

---

「じいちゃんみたいに笑われるのがイヤで、形見のギターも独りで こそこそ隠れて練習してました。でも、わかったんです。いちばんカッコ悪いのは、本当のカッコよさに気づけてなかった自分なんやって」

---

BS日テレ／2020年3月20日放送
【脚本】金沢知樹、いとう菜のは