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書類を男にしただけで [単発]

「今日の痛みは一瞬。守ったプライドは永遠」



「数字の裏側をどう想像するか、なにを読み取るかは、腕もいるし、実力が問われる。(資料作りや、リサーチの仕事が)誰にでもできるなて、とんでもない」



「努力は たいてい報われないよね。願っても、祈っても、どうにもならない。あせっても、怒っても、現実は変わらない。(女は職場に)いるだけでいいって、まわりから思われてる。若い女性がいると、なんとなく場がなごむ。もの申す女は怖がられる。ヒステリーって言われる。なにかを期待されてれるわけじゃない。若さを消費されてる感じ」



「彼女と気の合う友達は、たいてい男子でした。夏休みは真っ黒になって、一緒にザリガニを捕まえに行く――。女子は遠くで、白い目で見てる。コミュニティを越えたつき合いは、同性から嫌われる。そのことに、彼女は長いあいだ気がつきませんでした。中学は なかなかの暗黒時代です。自信のあった握力測定で、学年トップの数字を叩き出します。好きだった男子が『女じゃねえな』とつぶやいて、それが学級新聞の見出しになりました。高校時代、初めて できた彼氏にフラれたときの言葉は忘れません。『おまえはラーメン屋のカウンターで、替え玉、注文できる女だろ。やっぱオレ、もっと控えめで、守ってやりたくなる女がいい』――。大学時代は、キレイで可愛らしい容姿をしている順番に就職の内定が出ることに驚きました。世の中って、なんて露骨なんだろう。新卒で広告関係の会社に就職します。わかりやすいセクハラ、パワハラ、なんでもアリの職場でした。彼女は、我慢して、我慢して、我慢して、ついに限界を越えたとき、職場の管理職に実体を告げて、改善して欲しいと相談します。(中略) 彼女の訴えは見事に無視されました」



「男の人生を手に入れた わたしは(中略)圧倒的なチャンスの多さや、自由度の高さ(に戸惑いました)。男であれば生意気なくらいが、かえって信用されることも発見でした」



「女は30を過ぎれば(制作の)現場から引くって、いったい何時代のルールでしょうか。(中略) 都合のいいときだけ、女性の若さや明るさを利用して、女性の時代だと持ち上げる・・・肝心なところは、相変わらず男だけで固めているのに」



「声を上げた女性が傷つくような世界じゃいけないんです。たしかに、露骨であからさまなセクハラ、パワハラは、ホントに少なくなりました。でも、裏を返せば、見えづらく、陰湿になっただけな気がします。イヤなことも、素敵なことも、半分ずつ分け合いたいだけなのに。男性であろうと、女性であろうと、わたしの仕事の仕方は なにひとつ変わりません。女である あたしが、インサイトエージェンシーに損させた事実は、どこにもありません」


TBS/2020年10月11日放送
【脚本】
飯野陽子
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