そして、生きる・第5話 [そして、生きる]
「(気仙沼の復興には)ほんの少しかもしれないけど、わたしたちが(学生ボランティアで)やったことが残ってるんだよね。心の中で、胸 張ったっていいんだよね」
「おめたちが この街 好きで、(学生ボランティアが終わったあとも)こうやって会いにきてくれんの、うれしいよ。涙 出るぐらい、うれしいよ。でもな、そんなに ここを、オレたちを、美化するな。冷てえ言い方すっけどな、ここは・・・ここは、オレたちが生きてる場所だ。おめらなんかが(社会に出て)うまくいかなくなって、逃げてくるようなところじゃねえ。わかっか? あんとき(東日本大震災後)の時間はさ、美しかった。みんなさ、街の人間も、おめたちも みんな、余計なことなんて なんも考えねえ。計算だとか、邪心だとか、儲けてやろうだとか、自分の名誉とか、そんなもん どこにもなくてさ、ただ目の前の作業だけ必死にやった。それしかなかった。おめたちが一生懸命やってくれたこと、オレたちは心の底から感謝した。だけど、そんなこと・・・そんな気持ちは、社会に出たら ねえべ。もう、あんなに感謝されたり、誰かの役に立ちたいって思ったり・・・ねえべ、あんなこと。だから、心配なんだよ。そんな経験しちまった おめたちは、普通に社会に出るよりキツイんじゃねえかって。おめたちのこと、弱くしちまったんじゃねえか、オレはって、心配なんだよ。だから、清隆。ここで なんか(しよう)とか考えんな。そいつは うれしいけど、うれしくねえんだ、オレは」
WOWOW/2019年9月1日放送
【脚本】岡田惠和
そして、生きる・第2話 [そして、生きる]
「体を絞って(オーディションに)行くのはね、自分の気持ちの強さを見せるためなの。自分で自分の体はコントロールできてますよ、できますよっていう・・・。自分を甘やかしたりはしませんっていう姿勢をね、見せるためなの」
「わたし、これ(女優)が自分の仕事なんじゃないかって思ってるんです。そのために生きてる・・・生かされてるんじゃないかなって、思ってるんです。ひとを幸せな気持ちにさせる力を、わたしは持ってるんじゃないかなって、本気で思ってるんです。本気でそう思ってるんです。そのために生きたいんです。命懸けでやります。よろしくお願いします」
WOWOW/2019年8月11日放送
【脚本】岡田惠和
そして、生きる・第1話 [そして、生きる]
「せっかくさ、いろんな選択が有利にできるポジションに いま いるわけじゃない? それはキヨくんが頑張ってきたからなわけだし。(中略) だから、それを捨てるとか、選べるのに選ばないとかは、失礼だと思うの。キヨくんが勝ち取ったポジション、その陰には それが手に入らなかったひとがいるわけでしょ。そのひとに失礼」
WOWOW/2019年8月4日放送
【脚本】岡田惠和