「殺しに正義もクソもあるか。あるのは選択だ。殺すという方法をとるのか、とらないのか。それだけだ」



「人が人を殺す理由と、殺そうとする気持ちはまったく別のとことにあるということだ。人を殺すに値する理由など、この世にひとつもない。逆に言えば、どんな些細な理由でも人は人を殺すということだ。そこにあるのはたったひとつ、選択する機会にすぎん」



「人はな、一度(誰かを)殺してしまったら もうダメなんだ。再犯の可能性が高いかどうかは断言できん。だが、殺意はふくれたまま心に残る。ひとつの大きな選択肢として、魂の中に居座り続ける」



「たった一度 間違いを犯したら終わり。(あなたは)そんな強い価値観、持ってたでしょ。だけど、ひとはどんな痛みも、間違いも、背負って生きていってこそ、その先にある何かにたどり着けるんじゃないんでしょうか」



「早くラクになろうなんて しないでくださいね。苦しんで、苦しんで、カラカラになるまで苦しみ抜いてから死んでもらわないと、辻褄が合いませんから」


フジテレビ/2012年2月7日放送
【脚本】旺季志ずか/【原作】誉田哲也