「短距離走でいちばん遅いのは人間だ。野生動物に負けるならまだしも、家畜やペットにすら、走ることに関しては人間は劣るんだ。動物の中で最高の知能を持った人間が、ウシやネコより遅いなんて、どういうことだ。だが、長距離走は違う。長距離を走るのに必要なのは、体温の上昇を自ら抑える体温調整だ。つまり、全身に汗腺を持ち、発汗に伴う気化熱放散によって適正な体温を維持していく。それによる継続的運動が可能な動物が絶対的有利となる。その動物こそが人間だ」



「(彼にとって薬物ドーピングは)ボディビルなどで危険を顧みずに人工的な筋肉を作ったり、美容整形や手術で顔や体を改造するのと変わらない。(彼はひたすら “早く走れる人間” になりたいだけだ)」


テレビ東京/2014年6月27日放深夜送
【脚本】大根仁/【原作】ひじかた憂峰、たなか亜希夫