「ナイフを捨てて、もう一度 考えるべきです。凶器を持ったままでは、正しい答えなんて出ない」



「正当防衛が成り立たなければ、殺して逮捕されるか、または、殺されて解剖されるしかありません」



「憎しみを抱いていたり、貧困に苦しんでいたり、幼少期の虐待の記憶を抱えていたり、そうした理由で殺人を犯す人間はもちろんいるわけですが、同じような問題を抱えていても、殺人を犯さない人間もいます。いや、むしろそのほうが多数派なんです。だから、ぼくには警察や裁判所が認定する動機や、育成環境が、殺人に至る決定的な要因だとはどうしても思えないんです。(中略) 動機があろうとなかろうと、どんな生い立ちや生活環境を持っていようと、その状況にさえなれば、ひとは誰しもが殺人を犯す可能性があるんです」



「藤堂さんを助けてあげてほしい。たぶん、ぼくにはそれがムリです。万が一、彼女がひとを殺してしまっても、ぼくは彼女に寄り添うことができてしまうと思うから・・・。一緒に地獄に落ちてもかまわない。ぼくが彼女に抱いているその気持ちは、そういう種類のものなんでしょうね」



「彼女は、本当はひとを殺したいとは思っていません。むしろ、それでも殺さない自分かどうかを確かめたいと思ってるんです」


フジテレビ/2016年8月30日放送
【脚本】古家和尚/【原作】内藤了