「平成末期の日本は、有史以来の危機を迎えていました。清末明初、列強に圧され、現実に絶望した市民たちがアヘンに依存した、落日の上海にも似た光景が広がっていたのです。経済力、技術力、そのすべてにおいて日本がいまだに世界でナンバーワンだと、自己暗示にかかっては現実から目をそむける。そんな、あらゆる現実を、見て見ぬふりをする “自国礼賛 麻薬”  常習上司が蔓延していたのです。(中略) 事実を認めず、精神的勝利をおさめ続けるその末路は、そう遠くない破滅だと知れば、このあわれなクズ人間を少しは好きになれることでしょう」


テレビ東京/2018年3月20日深夜放送
【脚本】高橋弘樹