「あなたの会社はいま、野球で言えば8回の裏で負けてる状態です。でも、まだ負けが決まったわけじゃない。9回の裏の攻撃が残ってますよ」



「(倒産寸前の会社に手を差し伸べる)先生のやり方は、末期がんの患者にやたらと手術オペをする医者と同じですよ。その患者のみならず、周辺の人間もろとも苦しめるだけ苦しめて、挙句、結果は同じ。死しかない」



「ラクダのひとワラ――。ご存知です? 重い荷物を限界まで背負ったラクダは、あとたった1本のワラの重さで、突然、耐えられなくなり、崩れ落ちる瞬間がある。わたしはその1本のワラが、金融マンの一言であってはならないと思ってます。(中略) 倒産は命にかかわるんです。だから、会社は絶対につぶすべきではない。どんなことをしても、救うべきなんです」


テレビ東京/2019年7月22日放送
【脚本】西荻弓絵/【原作】村松謙一