「(きみの証言には)オリジナリティがない。わたしも長く検察にいるもんでね、オリジナリティがない言葉には、リアリティもないように聞こえてしまうんですよ」



「この(検察官の)記章、秋霜烈日と言ってね、草木を枯らす秋の霜のように、強く照りつける夏の日差しのように、検察は厳しくあれという意味が込められています。なぜ、そんな意味を込めたんでしょう? それは、そうあり続けることのほうが難しいからです。取り返しのつかない罪を犯し、なかには それを悔いる者もいる。それでも、われわれは厳然として、ふさわしい罰を与えなければならない。この社会を保つために」



「(ケンカばっかりしてるけど、)それがいいんじゃないの。あのふたりはさ、いつも相手の線にも可能性があるって、わかってんだよ。それで、あの、ぶつかり合うことで、どっちの見立てが正しいか確かめ合ってんじゃないのかな」



「嘘をつきたかったら、ついてもかまわん。その嘘も手掛かりになるからな」



「個人の事情と、世の中のルールは、別だと思います。どんなことがあっても、してはいけないことは、してはいけなかった――。そう思ってます」



「きみたちには失望した。後悔することになるぞ」
「それは『後悔させる』ということですか」


テレビ朝日/2021年4月7日放送
【脚本】徳永富彦