「ひととは愛おしいものよのう。ふたむかしも前に逃げた女の暮らしぶりを見て、盗んだとはいえ、素知らぬ顔で小判を与える男がいるかと思えば、その男が盗んだ小判であろうと知りながら女は口をつぐみ、そんなふたりの別れを作った己のありようを懺悔して死ぬ男もいる。ひととは愛おしい。恩讐を乗り越え、相手を労わることができる」


NHK BSプレミアム/2022年5月13日放送
【脚本】尾西兼一