「『鬼のような形相』でも通じるけど、小説的比喩表現を(脚本の)ト書きとして使うのは、基本NGです。ものすごくおこっている演技を俳優さんにしてもらいたいときは、『アキコ、真っ赤ないかり顔で辻本をにらむ』というふうに具体的な表現にしたほうがよいでしょう」



「才能? そんなものに頼っているうちは、まだシナリオライターじゃなくて、ひなリオライターだよ」



「『桃栗三年 柿八年』って言うけど、脚本家になるには、三年でやっと脚本らしきものが書けて、八年で仕事がもらえるような厳しい世界だよ。さらに、観客を感動させるのは一生の大仕事」



「脚本は技術ではなく、人間の心の渇きを描くんだよ。どんなに恵まれてるように見えても、人間には心 満たされない渇きがあるんだ。その切実な思いを描いてこそ、観客は強い共感を示すんだよ」


tvk/2023年1月30日深夜放送
【脚本】小林寿子/【原作】小林寿子