「手伝わなくていいんすか」
「みんなで ひとつのこと してたら、会社が回らないよね。あたしたちは、あたしたちの仕事をする。で、手を貸してって言われたときは、手を貸す」



「わたしたちのころは、就職、いまほどラクではありませんでしたよね。それに比べて最近のひとたちは、こう、売り手市場っていうんですか。使ったものは もとに戻さないし、ゴミはゴミ箱に捨てないし、漢字は読めないし・・・。王様みたいな気持ちで会社に来てるんですから」



「覚えるべきことを覚えないと、あなたが損をするんです。あのね、会社はね、仲良しサークルじゃないんです。あなたを好きになってくれるひとばかりじゃありません。小泉という新人は見込みがない。やる気がないと思われたら、どうしますか。誰も手を差し伸べてくれなくなりますよ」



「会社に入っていちばん驚いたのは、こんなにも価値観って、ひとそれぞれなんだって ことだった。(中略) 学生時代って、価値観が似たひとたちとつきあうじゃない。それは それでいいんだけど、仕事は全然 違う考え方のひとたちと協力して、ひとつのこと成し遂げる。だから、面白いんだよね」



「わたし、なんだか疲れてたみたいで、よく寝たら、頭もスッキリしました」
「ああ、よかった。お布団は正義ですよね」


TBS/2019年4月16日放送
【脚本】奥寺佐渡子/【原作】朱野帰子