「登場人物の気持ちや魂なんて、どこにもないんだ。これはただの台本だ。オレの魂は入っているが、役の気持ちや魂なんてものは存在しない。それは、これを読んだおまえら一人ひとりの中にしか存在しないんだ。役の気持ちや魂を感じるのは、おまえらの気持ちや、おまえらの魂だってことだ。つまり、これを演じるためには自分の気持ちや、自分の魂を使って演じるしかないんだ。奥原は自分の気持ちや魂をなんも動かしていない。ただここに書かれている人物像をマネしようとしているだけだ。それじゃあ、なにも伝わらない」


NHK/2019年4月25日放送
【脚本】大森寿美男