「飯島さんが ぼくに(抱きつくなんて)あんなことを・・・。まさか、あれは仮想現実? 新手のVR技術か。きっとそうだ。ぼくの思いが進展するより、ぼくの知らないうちに科学が飛躍的に進歩するほうが、可能性が高いと断言できる」



「結果より、過程を大事にしたほうが、自信はつくな。結果は水ものだが、努力したという事実は確かだろ。揺らいだときには、揺らがないものを思い出せ」



「思ってたほどプラスじゃなかったってだけで、マイナスに考えることないでしょ。(中略) あせって悪循環に はまるのが(恋愛)初心者の陥りやすい落とし穴だから」



「発明と言えば、多くのひとが突然ひらめくようなイメージを持っているかもしれませんが、(中略) 実際は、水の入ったコップに氷を加えていき、それが こぼれたところが発明、というイメージのほうが近いかもしれないね。コンピューターにおいては、コンピューターのアイディアというコップを、アラン・チューリングが用意して、その中に様々な技術が蓄積されていき、次に なにか入れたら水があふれる・・・そんなときに、最後の一個を入れたノイマンがいた。そんなふうに考えたら、自分にだって、なにか とんでもないことが できるかもしれない、そうは思いませんか」


NHK/2019年11月23日放送
【脚本】土屋亮一/【原作】蛇蔵