奇跡の人・第8話(最終回) [奇跡の人]
奇跡の人・第6話 [奇跡の人]
「(あなたは)悔しいのよね。自分は逃げたのに、一択青年は自ら、海ちゃんの面倒を見ようとしてる。それを認めるわけにはいかないのよね。だから、失敗したり、逃げ出したりするのを待ってる。で、ほら見ろって言いたいだけ」
「オレはバカなんで、指で数えられることぐらいしか わかんないんで・・・。数えきれないようなことは、考えられないです。海ちゃんは、できないことを上げてったら、数えきれないじゃないですか。それはやめましょうよ。キリがないっていうか。でも、できることは ほとんどないから、数えられるじゃないですか。そのほうが楽しいっすよ。数えきれるほうが、増えてくの楽しいですよ」
「天才なんかじゃないよ、この子は。普通の子だよ。なに? 障害のある子は、なんか特別な才能がないといけないの? なきゃダメなの? (中略) 絵なんか描かないでしょ、この子。あんたたちが描かせただけでしょ。それなのに、なによ、すごい、すごいって。どこがすごいのよ、言ってみなさいよ」
「ロックがダメなわけねえよ。ダメなのはロックじゃない。ロックを信じないやつらだ」
「ロックの原点ってのは、あいつだと思うんだ。外人は外人なんだけど、少年。『裸の王様』に出てくるさ、『あれ、王様、裸じゃね? なにやっちゃってんの。笑っちゃうんだけど(中略)』みたいな、あの少年。みんながさ、わかってんだけど、それ言う? みたいなことをさ、軽くぽーんと言うわけよ。『みんな平気なんですか。王様、裸じゃないんですか』みたいな言い方だとさ、うるせえよ、黙ってろ、みたいな感じになっちゃって、世界は動かないわけ。王様は裸のまま。でもさ、『あれ、王様、裸じゃね? 裸、裸。裸の王様、ヌードキングじゃね』みたいに言うとさ、みんなが、だよな、そうだよね、みたいなふうにして、世界は動くわけだよ。それがロックでしょうよ」
「ロックが空気 読んじゃダメ。空気を切り裂くのがロックでしょうよ」
NHK BSプレミアム/2016年5月29日放送
【脚本】岡田惠和/【脚本協力】中村千明
奇跡の人・第5話 [奇跡の人]
「ちゃんと学びもしないでさ、 『オレはバカなんで、こんなことしかできなくて』 みたいなこと、言うんだよ、あんたみたいな ひとはさ。さも、思いつきとか、直感のほうが、実は真理をついてるんじゃないの、みたいなことを平気で思ってる。それが許せないんだよ。わかんなかったら、わかんないまま済ませるなよ。自分がバカだと思ったら、バカじゃなくなるように努力しろよ。ホント、腹立つんだよ、そういうの。でもって、バカな自分が結構 好きだったりするんだろ」
「おふくろ、(中略) 最近、病気して弱ってんだよね。だから、オレが帰って、介護することにした。そう決めたとき、ホッとしたんだよな、どっかで。もう(腐った世界と戦うなんて)できもしないこと考えなくて済むなって。あきらめるのを、親のせいにできるなって・・・」
「ホント、(あいつは)バカだよね。やるなって言ってるんじゃなくて、効率が悪いから、ほかのやり方 勉強しろって意味なのにね。なんか、ああいうやつって、ちょっと腹立つよね・・・世界をシンプルにとらえててさ。ムカつく。で、ムカついた自分が汚い気がして、落ち込む」
「名前っていうのはな、生まれてきて いちばん最初にプレゼントされるもんなんだよ。海は花さんから すっげープレゼントをもらったんだぞ」
NHK BSプレミアム/2016年5月22日放送
【脚本】岡田惠和/【脚本協力】中村千明
奇跡の人・第4話 [奇跡の人]
奇跡の人・第2話 [奇跡の人]
奇跡の人・第1話 [奇跡の人]
「男ってのは、女の子を守るために生きてるんじゃないかって思うんだよ。でもさ、オレは ほとんどの女の子を愛してるのに、ほとんどの女の子はオレは愛せないみたいよ」
「女の子がいるから、世界に意味があるんだからさ。(中略) 守るべきひとを見つけるってことがさ、世界との戦いの一歩なわけだからさ」
「やりたいことなんか なくていい、できることを探せ。一度でいいから、一生に一度でいいから、誰かの役に立て」
「ぼくは(中略) なにもかも与えられてるのに、逃げてばっかりの人生です。でも、海ちゃんは たくさん奪われてんのに、できないことだらけなのに、暗闇と沈黙の中で世界と戦ってる。世界を知ろうとしている」
「バカで、なにも考えてなさそうなやつが、いきなり真っ当なことを、熱く、真っ直ぐに、そしてヘタクソな言葉で訴えると、なぜだか胸を打つものです。ひとによっては、それをロック、と呼んだりするらしい。でも、ロックとは基本、荒々しいもの。つまり、ずさんなものであり、計画性やら、現実性とやらは無縁のもの。で、どうするの? ということは、なにも考えていないものなのです」
NHK BSプレミアム/2016年4月24日放送
【脚本】岡田惠和/【脚本協力】中村千明