「飛田と私は1枚の紙だ。飛田が裏で、私が表だ。こういう男もいないと、私はきれいな紙ではいられないのだよ」
「男は身を滅ぼすことに夢中になるのよ。男が夢中になるもので、当を得ているのは、女だけなのにね」
「西洋の人間は、自分たちとおなじ格好、同じ生活をする者でなければ、対等な相手として認めないのだよ。西洋列強から、劣った国だと思われている限り、不平等条約は残り続けるのだ。猿踊りと言われようとも、我々は鹿鳴館で踊り続けなければならないのだよ」
「きれい事だけを言って、手を汚さない人間には、歴史は作らせない」
「傷があってこそ、一人前の男。傷のない、のっぺらぼうの男なんて、わたくしは興味ありません」
テレビ朝日/2008年1月5日放送
【脚本】鎌田敏夫/【原作】三島由紀夫