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リーガルハイ2・第10話(最終回) [リーガル・ハイ]

「先生はおっしゃいますよね。 『真実なんかどうでもいい。勝てばいいんだ』 って。ぼくはこう思うね。 真実はどうでもいい。みんなが幸せになるなら――。ぼくと先生は、実はコインの裏と表なのかもしれません」



「わたしは真実が大事だと思う。たとえ誰かが傷ついても、みんなが不幸になっても、それが真実なら仕方ないよ」



「あなたはいつも人間の欲望に火をつけ、争いをけしかける。極端で攻撃的な言葉を多用して説き伏せて。愚かな人間ほど威勢のいい言葉になびきますからね。人間の愚かさ、醜さを利用して勝ってきたのが、あなたの手法なんです。でも、そこに幸せはありませんよ。ただ一時の快感があるだけです」



「幸せは、不本意でも、面倒でも、お互いが懸命に妥協点を見つけ出すことでしか(得られ)ないんです。争いを避け、みんなが幸せになる社会とは、そういうことなんです。相手に譲ること、与えることは、勇敢で気高い人間でないとできない」



「ぼくのどこが間違ってるんですか」
「間違ってないと思っているところだよ」



「きみは人間は愚かだと言った。まったく同感だ。どいつもこいつも愚かで、醜く、卑劣だ。自分の名誉のために誰かれ構わず攻撃する見栄っ張り。妻が美しくなければ許せない夫。お隣への嫉妬に狂う主婦。手柄を独り占めしたい会社員。何人もの男を同時に愛したい女。努力しない凡人を許せない天才。便利で贅沢な暮らしがしたくて昔ながらの暮らしを放棄する人々。欲望のために男を手玉に取る悪女。わがままで、勝手で、ズルくて、汚くて、醜い、底辺のゴミくずども。それこそが、われわれ人間だ。(きみはそんな人々を幸せに導こうと言う。だが、)それが違うんだよ。まず、そこから降りろ。自分も底辺の醜いゴミくずの一匹であることを自覚しろ」



「(きみは)相当、醜いね。自分の理想の実現のために裁判を利用し、ひとをたらしこみ、だまし、あやつる。自分の賢さにうぬぼれ、ひとのために尽くす自分が大好きで、冒す危険に酔いしれる。皆を幸せにしたい。 Win-Win にしたい。だが、それらはすべて、所詮、きみ個人の欲望だ。皆から感謝され、崇め奉られ、ファンレターをいっぱいもらい、ベストジーニスト賞まで、わたしより先に獲得して、さぞ満足だろう。だが、きみがやってることは Win-Win じゃない。小さな敗者ルーザーをたくさん作って、きみひとりが勝者ウィナーになることだ。いいか、きみの本性を教えてやるから、よーく聞け。きみは独善的で、ひとを見下し、いい男ぶった、薄ら笑いが気持ち悪くて、スーツのセンスがおかしくて、漢字もロクに書けなくて、英語もサッカーもそれほどうまくない、でたらめなことわざを作る、甘くて、ぬるくて、ちょろい、裏工作をしてみたら たまたまうまくいっただけの、ゆとりの国のポンコツ、ヘタレ、天パー、短足、クソ王子だ。バーカ」



「もしきみが、皆が幸せになる世界を築きたいと本気で思うのなら、方法はひとつだよ。醜さを愛せ」



「わたしはきみたちのような底辺の愚民どもとは違うのだ。一度、リニアモーターカーの先頭にくくりつけられで、山梨リニア実験線を時速505キロで試験走行してもらうといい。少しはマシになるだろう」


フジテレビ/2013年12月18日放送
【脚本】
古沢良太
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あゆこ

記録有難いです。見返さなくても読んだだけであのセリフまわしが蘇ります。楽しめました!
by あゆこ (2013-12-26 08:25) 

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