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リーガルハイ・スペシャル [土曜プレミアム]

「最も厄介な敵は、失うものがない人間です」



「売られたケンカを買わないと、世間は負けたとみなすのだよ」



「世間は正論よりも、醜いスキャンダルのほうが好きなんです。いまやあなたは、白い巨塔の頂点で欲望の限りを尽くす悪の権化ということになっている。悪の権化が受け取った金は、研究資金ではなく裏金なんです」



「手玉がないときの武器は、敵の弾だ」



「正義を貫くっていうのは、気持ちいいもんだよ。たとえ貧乏だろうが、自分に酔っていられる」



「医は仁術。たしかにその点からいえば、赤目義二よしじは最低の医者かもしれませんね。権威にあぐらをかき、不遜で、横暴で、スタッフと軋轢が絶えず、いい年をして若い愛人をたくさん作った。患者や遺族の気持ちなど意に介さず、死んだらさっさと追い出し、患者の名前すらちゃんと覚えない。最低だ。最後は病院から放逐され、家族からも見放され、広い豪邸でたった独り、助けてくれる者もなく、倒れていた。まさにあわれな晩年です。罰が当たったんでしょうか。ですが、彼の書斎は膨大な資料の山で足の踏み場もないほどでした。病院を追われたあとも、彼はその山に埋もれて研究に没頭していました。その姿を思い浮かべるとき、わたしには彼がこう言っているように思える。医は科学である、と。難病治療という科学の発展こそが、彼にとってはすべてだった。そのために金を集め、実績を上げ、権力を欲した。科学に必要なものはデータです。(患者の)人生でも、名前でもない。医学を前に進めるために必要なことは、遺族と一緒に泣くことではない。直ちに次の患者の治療にあたることだ。彼がこんなことを言っていた。 『病院がつぶれようとも、家族がイジメに遭おうとも、そんなことはどうでもいいことだ』 と。そのあとに、こう続けたかったのではないでしょうか。 『・・・医学の進歩に比べれば』 。(彼は)血も涙もとっくに捨てたんですよ」



「進歩と引き換えに犠牲を要求してきたのが科学だ。(中略) その死のひとつひとつが医療を進歩させてきた。現代の医療は、その死屍累々の屍の上に成り立ってる。誰しも医学の進歩のためには犠牲があっても仕方がないと思ってるはずだ。その恩恵を受けたいからね。しかし、その犠牲が自分や家族であるとわかったとたんに、こう言うんだ。話が違う、と。なんで自分がこんな目に遭わなければいけないんだ。誰のせいだ。誰が悪いんだ。誰を吊し上げればいいんだ。教えてやるよ。訴えたいなら、科学を訴えろ。あなたのご主人を救えなかったのは、現代の科学だ。(科学を訴えることができないの)だったら、せめて狂気の世界で戦い続ける者たちの邪魔をするな」



「科学は死に意味があるんです。(患者の)死こそ希望です。赤目義二を吊し上げたところで、あなたの奥さんの弔いにはならない。我々にできることは、せめて いまある命を慈しむことです。一日一日が奇跡なのだと知ることです」


フジテレビ/2014年11月22日放送
【脚本】
古沢良太
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