透明なゆりかご・第６話

「（中絶手術は）できれば やりたくない仕事だよ。うちでは やりませんって、断ることもできる。でも、断ったところで、その妊婦さんは別の病院で手術を受ける。病院に断られて、どうすることもできなくて、自殺を選ぶ女性だっている。だからね、ぼくは こう思うようにしてる。人工妊娠中絶アウスはいつか望んだとき、またちゃんと妊娠できるようにするための手術だ。だから、できるかぎり丁寧に処置をする――。中絶も分娩も、同じようなものだと ぼくは思う。どちらも、新しい命を迎えるための仕事だよ」

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「わたし、このあいだ、知り合いの子の人工妊娠中絶アウスに付き添ったんです。その子、言ってました。わたしもバカだけど、赤ちゃんもバカだって。ちゃんと産んでもらえるひとのとこに行けばいいのにねって。でも、わたし、どんなに悲しい結果になってしまっても、赤ちゃんは なにかメッセージを残してくれてるように思うんです。たとえ、来るひとを間違えちゃってたとしても」

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NHK／2018年8月24日放送
【脚本】安達奈緒子／【原作】沖田×華