「世間とは角を立てずに、ひっそりと愛し合いたいだけ。世の中と戦ってまで、自分たち(の愛し方)を認めさせなくてもいいのよ、わたしは」



「ひとの気持ちなぞ、理解できなくて当然だ。理解し合えると思うことこそ傲慢である」



「残念ながら、わかりません。あなたのお気持ちも、あなたのお気持ちも、わかりません。でも、あなたと あなたは わかり合っています。お互いの苦しさ、生きづらさを理解し合っています。夫と妻としては難しいかもしれませんが、人間同士として、助け合って、ここでお暮しになるのがよろしいかと思いますが、いかがでしょうか」



「いまは、就職活動のエントリーシートには、『男』『女』『答えたくない』という選択肢があります。制服のスカートとズボンを自由に選べる学校も増えてきています。多種多様を認める時代を(お二人の娘さんである)美月さんは普通に生きておられます。ひとが力を合わせて生きていく形には、様々な形があります。いま、木村様ご一家は、ママと、ママと、美月さまという、新しいチームとして生まれ変わりました」



「どちらかが意見を曲げて寄り添っても、それは理解し合ったということではないのですから、いずれ ひずみが出るでしょう」


日本テレビ/2019年1月23日放送
【脚本】大石静