「判で押したような毎日は味気ないと、ひとは言う。毎日が変化に富んでいて、違うひとと会い、楽しいイベントと、悲しいトラブルが目白押しで、きのうと違う今日が続いている日常が、ムダじゃない生き方なのだろうか。もし そうだとしたら、ムダな生き方と言われても、判で押したような毎日でいい。変わらないものが大事だったら、マンネリが心地いいなら、それで人生の不甲斐なさを嘆かないなら、 “いつもと同じ” が かなうなら、わたしはそれでいいんだ」



「老人が最後に社会性 獲得した場所へのリスペクト、なめないでよ。子供の居場所に無理やり引き込んで、晩年よかったって話、聞きますかいな」



「人間ってさ、いろいろ考えると、最後はフィーリングなのよね。合理的な根拠なんて保険かけても、心安らかに ならんの。空気、雰囲気、寄り添えるか否か(が重要なわけ)」



「鈍感力ってさ、ただ単に鈍感なひとのことを言うんじゃなくて、本当は敏感なのに、鈍感でいられる訓練と覚悟を持ったひとのことを言うんだよね」



「きみ、先割れスプーンみたいなやつだな。すくい上げると見せかけて刺す、みたいな」


tvk/2019年3月14日放送
【脚本】永森裕二