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柴公園・第6話 [柴公園]

「子供のころ、人間の脳には記憶の小部屋があって、そこは無限に容量が与えられていて、幼い自分には未使用領域が死ぬほどあると思っていた。大人になると、その空き領域が どうやら それほどないことに気づかされて、とたんにムダなメモリーを使わないように、知恵をつけた。大事な むかしの記憶を保管してる小さな空き領域をやりくりする癖が、いつの間にか ついていた」



「最近、スマホをいじくってて、どんどんバカになってるのがわかるんです。なんでも調べて、次の瞬間に忘れてしまう。忘れてもまた調べればいいって安心感があるから、頭に刻み込まれない。結果、脳みそが劣化していく。道で初めて会ったワンちゃんの名前、次 会ったとき、忘れてません? スマホに脳が癖づけされてるんです。むかしだったら覚えていられたのに、忘れるモードが適用されてる。いや、正確に言うと、覚えなくていいモードですかね」



「将棋や囲碁がコンピューターに負けるずっと以前から、人間の記憶力はコンピューターにかなわない。でも、ひとは常に なにかを覚えていようとする本能が働く。いいことも、悪いことも、楽しいことも、悲しいことも・・・ひとの記憶は知識だけじゃない」


tvk/2019年2月14日放送
【脚本】
永森裕二
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