「ため息なんてのは、あきらめたときにつくもんだ」



「おまえはな、感情が透けて見える。相手もおまえのこと見てるんだぞ。結果を出すことにあせってる おまえなんてな、煙に巻くのは簡単だ」



「あいつは、つかみどころがないんじゃなくて、つかめなさを演じてるように思える」



「加藤の人間性に惚れ込むのは勝手だが、英雄の偶像を作り出して崇拝することは、すべてをゆがめるぞ」



「その手でつかむものは、そんな(ナイフみたいな)ものでいいのか。すねてもいい、ひとをうらやんでもいい。でもな、うらやむ気持ちがあるなら、うらやむものがあるなら、それを自分の手でつかみ取ってみてくれないか」



「あのひとは、ルールを破ることはあっても、そこには必ず正義があった。だから、相手に届くんだ」



「このライターには、事件を白日のもとにさらそうとする お父さんの執念が染み込んでる。三津谷さん、それを 真実を消すために使ったらダメだ」


テレビ朝日/2020年3月15日放送
【脚本】高橋泉/【原作】大門剛明