世にも奇妙な君物語・第２話 [世にも奇妙な君物語]
「ブログのコメント数、すごく多いですね。コメントの内容、見てみましょうか。（中略） あなた、律儀に返信されてますね。ということは、このコメント数は34ではなく、17ということになります。そして、『先輩のこと、尊敬しています』『また飲みに連れていってください』――。こういった類いのコメントは0.1としかカウントされませんので、合計1.7ということになります。さらによく見ると、『みんな、コメント本当にありがとう』と、自分で自分にコメントしている謎の投稿があります。ですので、厳密に計算すると、カウントは もう少し減ります。先輩への寄せ書きで、書くことが なにもないときに後輩が多用する言葉、久しぶりに ばったり会ってしまったときに使う言葉の代表です。よって、あなたの してきたことは、他者とのコミュニケーションではありません。自分語りの押しつけです」
「そもそも、自分が書いた言葉に『いいね』とか言われても、どれだけ伝わってるか わからないしね。わたしは きちんと相手の顔を見て、直接 話すに勝ることはないと思ってる。思いって、伝えようと思わないと、伝わらないものだから」
「コミュニケーション能力なんて、実は誰も意味がわかってない言葉で、誰の人生も左右されないように・・・。顔と顔を合わせて話せば、自分のことって、きちんと伝わると思うんです。それを確かめたくて、ここに来ました」
「あなたはこれまで、何にも流されることなく、自分の好きなこと、やるべきことに没頭し続けてきた。手に入れられなかったものも多かったことでしょう。小百合さんのように、一緒に教室で はしゃぐような仲間は、もしかしたら いなかったのかもしれない・・・知子さんには。（だからこそ、）あなたには語るべき言葉がたくさんある。これまで積み重ねきた思いや言葉が、知子さんの小さな体の中に たくさん詰まっているはずです。あなたの内側から あふれ出る、語るべき思いや言葉、それが本物のコミュニケーション能力の種です」
「わたしは これから飛び出していく広い世界で、それまでに培ってきたものを武器に、わたしにしか築けないような他者との関係を築いていきたいんです。SNSで、既読とか、『いいね！』とか、そういうことに振り回されずに、わたしにしかできない会話で、お酒や お世辞を介在させなくても成立するような関係を築いていきたいんです」
WOWOW／2021年3月12日深夜放送
【脚本】渡辺千穂／【原作】朝井リョウ
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