消せない「私」 -復讐の連鎖-・第13話（最終回）

「匿名の傍観者だからって、安心していますか。違う。あなたは当事者だ。あなたが匿名で わたしに突きつけた悪意に満ちた暴言や、自己満足の正義――。そうして無数のレッテルを貼られた わたしの姿は、あなたの手によって拡散され、一生 消えないデジタルタトゥーとして刻まれた。この配信は、あなたへの復讐でもある。奪われて失い続けるくらいなら、わたしも加害者になる」

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「おまえのような人間が大きな声で世に放った言葉は、それだけで力を持つ。その信憑性よりも話題性が重視されて、誰かの人生を狂わせることもある。ときには被害者と加害者の立場すら簡単に入れ替わる。（中略）　誰かの意志によって、理不尽に悪役を押しつけられることが、許されていいわけない」

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「被害者と加害者なんて、その関係が明確に見える瞬間をメディアが切り抜いて、やっと役割が決まるんだから、どっちが始めたことだとか、どっちの罪が重いだとか関係ないのよ」

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「ゆがめられた わたしの一部を見て、わたしの全部を知った気になるな。（中略）　ツラいなら忘れろなんて、簡単に言うんじゃない。誰より わたしが忘れたいって願ってた。どうして それを少しも想像できないの？」

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「逃げ切って、生きろ。ひとの記憶に残り続けて、（傍観者たちの）生きる脅威になれ。それが最後の復讐だ」

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「復讐に誰かを幸せにする力はありませんよ。ただ、硝子しょうこは復讐に力を借りて、もう一度 歩き出せた。歩いていれば、いつかきっと・・・」

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日本テレビ／2024年2月29日深夜放送
【脚本】烏丸棗／【原作】黒田しのぶ