京都人の密かな愉しみ 冬

「KYOTO――。なんと不可解さに満ちた街だろう。この町に漂うオーラ。同じ日本人にすらプレッシャーを与える空気。その正体はなにか？　それは人だろう。古いしきたりに囚われた人々によって、理解しがたい生活がいまも守られている。京都の町は、そこで生きる人間に、複雑に生きよ、という無言の呪縛をかけている」

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「（除夜の鐘は）本当に108回も鳴らす必要があるのか。煩悩の数だけ鳴らすらしいが、だとしたら日本人は世界一悩みの多い国民だ」

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「この女のことをどう表現すべきか・・・。煮ても焼いても食えない。文化的秘密結社の一員。またの名を『京都人』」

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「言語学者のあたしにとって、スワヒリ語であろうが、ポリネシア語であろうが、マスターするのに さほどの時間はかからなかった。もちろん、日本語も完全に ものにした。どの言語にも、理にかなった体系と法則があるから。しかし、京都人たちが使う言葉ときたら・・・。まったく理解に苦しむ。言ってることと、伝えたいことが真逆って、どういうことなの」

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「煩悩は煩悩でも、寂しさは金。未練は銀。耐えることが、人間を強うしてくれます。悪いことやない」

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NHK BSプレミアム／2016年3月19日放送
【脚本】源孝志