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真夜中の百貨店 ~シークレットルームへようこそ・第33話 [真夜中の百貨店]

「お菓子などなくても生きていける。そう思いませんか。さらには、文学も、音楽も、美術も、映画も、演劇も、そしてテレビも、インターネットもなくても、ひとは生きていけますよね。生きていくためだけに必要な栄養を摂取し、雨風をしのぐ囲いがあり、そして、暑さ、寒さに対応する衣類、履物があれば、ひとは生きていけますよね。・・・5年前、大きな災害のあった街で、小さなお菓子屋さんを老夫婦が営んでおりました。大事なお店も、大切なご家族もなくされた その老夫婦は、ほどなくして お店を再開されたそうです。しかし、その時分には まだ多くの住民は、家もない、仕事もない。心に深い傷を負い、まさに生きるのに精一杯な状況でした。そんなとき、お菓子を買う方はいると思われますか。完売されたそうです。みなさん、先を争うように お菓子を買われたそうです。お菓子を食べなくても、人間は生きていけますが、逆に食べなくても生きていけるものを食べるということは、平和で幸せな生活を送っているという証なのではないでしょうか。お菓子というものは、幸せな生活の象徴。わたくしはそう思います。同様に、クリスマス、ハロウィン、バレンタイン、お正月、お盆――。お祝いをしなくても、当然、生きてはいけますが、お祝いできるということ自体が、実は大変 幸せなことなのではないだろうか・・・」


BSジャパン/2016年11月22日放送
【脚本】
及川博則
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