京都人の密かな愉しみ Blue 修業中「燃える秋」

「アカンとこは、遠慮のう叱ってください。みなさんの言葉だけが、ぼくの教科書ですから」

---

「むかしと おんなじ味や香りの野菜を残すことが、これ大事やねん。なんでもかんでも現代人の好みの味にしてしもうたら、終いや」

---

「誰かが人生 賭けてやってきたことを、肉親やから いう理由だけで継承するのは、なかなか難しい。血縁はのうても、才能や情熱のある者がいてるなら、その人間が跡を継いで、次の時代に伝えていく――そっちのほうが美しいと、わしは思うんやけどな」

---

「（炊き込みご飯には）土鍋――。これで炊かんことには風情がない。炊飯ジャーで炊いてもええんやが、まあ、具と米に対する向き合い方の問題やな。真摯に向き合えば、真摯においしゅう炊き上がってくれる。ちょっとした手間を惜しむ人間には、味わえん幸福や」

---

「（恋の）便利屋さんは、心の応急処置はできても、完全な修理はしてくれへんよ」

---

「あんた、オブザーバーの意味、ちゃんとわかって使つこうてるか。決定権を持たない傍観者いう意味や。一生、傍観しとき」

---

NHK BSプレミアム／2021年1月30日放送
【脚本】源孝志