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神様のカルテ・第3話 [神様のカルテ]

「最新医療は進み続けてる。勉強をサボれば、知識はすぐに時代遅れ。臨床医だから論文を書く暇がないなんて、信じられない怠慢だわ」



「自分の始末は自分でつける――なんてのは、あれは若い時分の世迷い言です。死んだら、必ず誰かの世話になる。迷惑をかける」



「治療は投資信託じゃないんですよ、金山事務長。ローリスク、ローリターンの治療で、命が救えるとでも? あなたが言ってるのは、そういうことなんです。医者がリスクを怖れて治療を小出しにすれば、死ぬのは患者なの。医者の仕事はゼロか100よ。もし命を奪う疾患が1パーセントでも疑われたら、医者はそこに100パーセントの力を注ぐんです。そして、その全責任を負うの」



「ミスに決着をつけるな。一生、背負い続けろ」



「内科のことは心配しないで。栗原くんが空けた穴ぐらい、あたしの鼻くそで埋めておくから」



「いろんな酒を飲んだ挙句に、年取ると、むかしの酒に戻る。いや結局、金のないときに飲んだ酒が いちばん うまいんだよな」



「医者が足りねえ。特に病院でお年寄りを延々と見守る医者が足りねえ。当直、急変、呼び出しの連続で疲れ切った連中は、非常勤になるか、開業するかだ。現場から距離を置いちまう。だからよ、いつまで経っても病院に医者が足りねえんだよ。なあ、栗ちゃん。医者にとって、いちばん大事なのは、続けるってことだ。地方病院だろうが、大学病院だろうが、どこで働こうと関係ねえ。医者を続ける――。これが、いちばん大事なんだよ」


テレビ東京/2021年3月1日放送
【脚本】
森下直/【原作】夏川草介
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