連続ドラマ「救出劇」・第１話

「日本は いい国ですよ。中学、高校は、学校中に応援されて部活やって、引退したら親が塾に課金して、受験勉強したら それなりの大学 行けて、１年のときから就活に有利なこと探せってケツ叩かれて、就活本番で死ぬほど揉まれて、メンタルやられながら大手ITに決まったのに、仕事なんて忙しいばっかりで、あっという間に また病んで、会社 辞めて、失業保険 出るまでボーっとしてたけど、そろそろヤバいかもって動き出したら、今度は再就職までの道のりで また病んでるオレでも、普通に生きて行けるんだからって、思うわけですよ」

---

「部活では学校中で応援してくれて、受験は親が応援してくれたけど、社会人になったら応援してくれるひとがいなくなって、自分のアイデンティティが揺らいじゃった、ということかもしれませんね」

---

「自己否定は危機管理能力が高いってことの裏返しでもあるから。誰でも、傷ついたり、裏切られたりするのは怖いんです。それを予測して回避しようとする能力が特に強いと、自己を否定しがちになる――。でも、それって、傷つかないように先回りして防衛してるってことだから、未来を ある程度 予測できる、洞察力がある 頭がいいひとにしかできないことだと言われてるんです」

---

「いずみってさ、生まれた星がすげえんだよね。５月５日の５時５分――。これさあ、なんかの役割 与えられてるとしか思えなくね？」
「医者が面白がって出生証明書にそう書いただけだろ」

---

TOKYO MX／2021年5月26日放送
【脚本】Vivi／【原案】ムービック