少年のアビス・第４話

「先生の本の中の女性は、みんな妖しい魅力があって、子供のあたしは あこがれました。彼女たちは みんな、汚よごされたい、堕ちたい、そんな願望を持ってて・・・そういうのが わかるようになったら、大人なのかなって。でも、最近 読み返すと『ああ、わかってないな』って。だって、女は自分だけは汚れたくないっていう、もっと汚い気持ちがあるんです」

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「（あのひとたちにとって、あたしは）かわいい かわいい大事なひとり娘――。だけど、絶対に自由にはしないし、対等に話す気なんてない。（中略）　あたしが いま どんな感情でいたとしても、あたしが “いつも通り” を演じれば、みんな それで満足なの。『ああ、チャコちゃん、怒ってないな』『聞き分けのいいペットで、よかった、よかった』。もし、あたしが自分の意見 押し通したら、『東京、行かせて』って叫んだら、たぶん殺すんだろうな・・・あたしの心を。聞かないフリ、見ないフリしてさ。あたしを産み出したからって、あたしを殺す権利を持ってると思うなよ」

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tvk／2022年9月22日放送
【脚本】狗飼恭子／【原作】峰浪りょう