テイオーの長い休日・第２話

「なるほど、脚本家と思いきや、あなた（プロデューサーの言われるがままに書き直す）書記係でしたか。それじゃ、ホンが面白くなるわけがない」

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「実績 欲しさに、Ｐの言いなりか。立場が弱いからって、筆を曲げるような人間には、いつまで経ったって本当にやりたい仕事なんて回ってこねえぞ。物書きだったら、その腕一本で相手 ねじ伏せてみせろよ。魂 震わせてみせろよ。オレたち役者はな、ずっと そういうホンを待ってんだよ」

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「いつか偉くなったら、業界を変えてみせる――。そう言ったやつで、実際に動いたやつを、オレは見たことがない。いつかなんて、ないんだよ。分岐点は常に いまだ」

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「いまのドラマ作りの現状に巣食う病巣――。それはいったい何なのか。予算がない。予算がなければ、スケジュールもない。スケジュールがなければ、脚本を練り上げる時間もない。数字をとるために、多少 違和感があったとしても、編成に言われるがままにキャスティングをしてしまう。流行に安直に乗ってしまう。有名原作に頼ってしまう、などなど。しかし、本当の病巣は そんなことではありません。根本的な原因は（ホン打ちに臨む）あなた方です。あなた方の志と覚悟の無さです。こんな政治の産物みたいなホンで、いったい誰が幸せになれるんですか」

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フジテレビ／2023年6月10日放送
【脚本】入江信吾