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最高の教師 1年後、私は生徒に■された・第3話 [最高の教師]

「(不満があるなら)なぜ、それを直接 言わないんですか。あの黒板(に書いた殺害予告)を見た誰かが動いてくれて、その誰かの責任で なにかが変わることを、待とうとしたんですよね。なぜ、自分自身で、顔と声を出して、意見しないんですか」



「さきほど眉村くんが『あきらめもつく』と言いました。おふたりは いったい なにに あきらめてるんですか。懸命に時間を注いだ青春が壊されることでしょうか。それとも、自分たちの意見が封殺される日常でしょうか。『ぼくらなんか』と、自分を下に感じるその順番は、いったい どこに存在するのでしょうか。少なくとも、わたしの目には おふたりの順番を示す数字など、どこにも書いてあるようには見えません。(中略) 学生が学校で学ぶことは『あきらめ』ではありません」



「あいつら、勝手に楽しくしてりゃ いいじゃん。(こっちは)邪魔なんて しないんだからさ。頼むよ。なんで、わざわざオレらの邪魔して、笑うんだよ」



「あなた方を苦しめる原因の大半は『想像』です。目に見えない順番もそう。こうしたら こう思われると配慮する人間関係もそう。そして、その想像に いちばん苦しむのは、いつも『優しいひと』です。優しいから、ひとの気持ちを想像する。自分の立場を想像し、イヤなことも我慢する。なぜ、そんな優しいひとばかりが損をかぶる世界で、日々を過ごさなければならないんでしょうか。あえて、教師のわたしから伝えさせてください。優しいひとこそ、もっと この世界をたやすく考えるべきだ、と」



「あなた方は一度でも、自分を傷つけ、蔑ろにする人間たちと仲良くしたいと思ったことはあるんですか。あなた方にとって、彼らに嫌われるということは、そんなにイヤなことなんでしょうか。(中略) 誰かに嫌われるということは、ツラい思いをすることも あるかもしれません。ですが、いま(わたしは)大人として伝えることがあります。そんなふうに自分を蔑ろにした人間など、いま どこで なにをしているのか知りもしない確かな日々が訪れるということです」



「むかし、先生も些細なことがきっかけで孤立したことがあったって(言ってた)。でも、そのときに、いちばん仲のいい友達が聞いてきたんだって。あいつらと仲良くしたいって思ってるのかって。もし そう思ってないなら、傷つく必要なんてない。その輪に戻る必要もない。泣きながら あいつらの自由を守る必要なんてないって。(中略) 自分や、自分の大切なひとに後ろめたく思ってまで、誰かに合わす必要なんてない――」



「ぼくたちのことを(ハブるなら)ちゃんとハブってください。まったく相手も、会話もせずに、かかわらないでください。本当に お願いします。申し訳ないけど、ぼくたちは きみたちと まったく仲良くもしたくないし、一緒にいたいと思ったこともない。きみたちが笑ってるときにも、一度も面白いとも、楽しいとも思ったことないし、まったく考え方も、生き方も違う、別種族なんだ。それで、すごく簡単に考えたら、強がりでも なんでもなく、きみたちにハブられることは、いいことしかないって気づいたんだ。ありがたいことに、ぼくには日暮ひぐらしがいてくれるし、この学校の中でやりたいこともある。ぼくたちだけで生きて行ける世界が ここにあるんだ。べつに ぼくたちは仕返しがしたいわけじゃない。それすらも思わないくらい、かかわりたくないだけなんだ。でも、この部屋にかかわらず、なにか攻撃を受けるならば、なんでもしてでも証拠を集めて、きみたちを糾弾しなくちゃいけない。そんなことに時間を使っている暇は、ぼくたちには ないんだ。だから、ぼくたちを ちゃんとハブって欲しいんだ」



「なに? あたしたちが裏切ったら、あんたたちが怒られちゃうわけ? それは あんたたちの人間関係なんだから、知ったこっちゃないよ。なんで、友達でもないひとのお願いを、そんな聞かなくちゃいけないの」



「『オレなんか(でよければ)』っていう自分を卑下した言い方で逃げ道 残してるようなやつに、なにを相談できるんだ」


日本テレビ/2023年7月29日放送
【脚本】
ツバキマサタカ
※ 7段目は2名による連続した台詞をつなげたものです
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