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最高の教師 1年後、私は生徒に■された・第7話 [最高の教師]

「試行回数 1回の出来事は、結論には ならない――。先輩によく言われんだよ。たった1回そうなっただけのことを結論と思うな。だから、これを運命だって結論づけちゃダメだ」



「30代の自意識過剰は懲役3年になります」



「いま(鵜久森うぐもりさんの死を受けて)みなさんの心には悲しみがあると思います。でも、意識しなければ、考え続けることは すぐに やめてしまう。そして、座るひと失ってしまった その席の前で笑い話もするんです・・・何事もなかったかのように。いつまでも悲しみを抱えることは、正しいとは言えません。でも、悲しみに目を伏せることと、見えないフリをして目をそらしていくことは違います。都合のいい結論に目をそらして、過去に変えてはいけない。わたしたちには考える責任がある」



「彼女が なんで このような出来事を迎えたのかを考えることは、彼女が最後どのように命を燃やしたのかを考えることになる。彼女は決して『頑張ったのに命を失った生徒』ではない。最後の最後まで その命を燃やした生徒だと思います。かつて彼女に不遇を浴びせたひとも、かつて それを傍観したひとも、かつて手を差し延べることを あきらめたひとも、わたしたちは二度 彼女を傷つけることは許されない。わたしたちは彼女の生き様と向き合わなくてはならない。変わるんです・・・まず初めに この教室が」



「理由を解き明かそうとすること自体が、すべて正しいとは言えません。最も避けるべきなのは、彼女を憶測で語ること――。あのせい(で死んだの)だと思う。あのひとが関係してるだろう。あれが原因に違いない。『思う』『だろう』『違いない』――その言葉で彼女を語ることは、言葉を失ってしまったひとへの冒涜だと思いませんか。そうならないために、真剣に考えるんです。それぞれの目で見て、感じたことで、彼女を考え続ける。それだけが、わたしたちに いま できる唯一のこと。向き合うということ」



「本当に心を込めて告げられた『ありがとう』には、絶対に報いたいと思わされてしまう」



「こうして重大なことが起きたとき、明らかに なにかを ねじ曲げて、世間に声を出しているひとを見て思うんです。誰かの尊厳に砂をかけてまで、なにを守ろうとしているんだろう、と。その不義理を背負うことは、いま傷つくよりも ずっと苦しいのに なぜだろう、と」



「(マスコミの方々に)ひとつだけ約束していただきたいことがあります。関係のないひとが、憶測で言葉を投げかけるのは やめてください。なぜなら、ここは学校だからです。ここには未来あるひとが たくさんいて、その一言で人生を左右されてしまうかもしれない。(問題に)必死に向き合う思いも、なくなってしまうかもしれない。それでも、なにか言葉を投げたいとき、我慢できないときがあれば、(教頭の)わたしに言ってください。だって、わたしが ここの責任者なので。責任があるのは、生徒でも、教員でもない。わたしです。わたし ひとりです。わたしが本日みなさんに お伝えしたかったのは たったひとつ。この学校が、本件の生徒について、本気で向き合う時間を作るためなら、わたしは なんでもするということです」


日本テレビ/2023年9月2日放送
【脚本】
ツバキマサタカ
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