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春になったら・第2話 [春になったら]

「エリザベス・キューブラー=ロスっていう精神科医がね、がんを告知されたひとが、それを受け入れるまでを5段階で定義してるの。まず第1段階は『否認』。ショックで、自分が がんになったことを信じようとしないっていう。で、第2段階が『怒り』。どうして自分がっていう、もう激しい怒り。(中略) 第3段階が『取り引き』。たとえば、神に祈るとかね。第4段階が『抑うつ』。うつ状態のことだね。で、第5段階が『受容』。あきらめて、死を受け入れる――」



「東大中退した時点で勘違いしてんのに、自分の芸が面白いと思ってることも勘違い。実際、売れてもいないのに、ひとの大事な娘と結婚したいって言い出すの、もっと勘違い」



「治療 受け始めたら、オレはもう がんと闘うだけのひとになっちゃうんだ。それでさ、1年や2年 生きたって、なんの意味があるんだろう。それだったら、残り3か月、オレは仕事をしていたい。やり残したことを、思いっきりやりたい。おまえの父親でいたい。オレだって、告知されてショック受けて、なんでオレがって腹 立って、がんが消えるならさ、なんでもするって神様にお願いして・・・でもさ、やっぱり どうにもならないって落ち込んでさ、まあ最後は受け入れたんだ。わかってくれよ」


フジテレビ/2024年1月22日放送
【脚本】
福田靖
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