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さよならマエストロ ~父と私のアパッシオナート~・第5話 [さよならマエストロ]

「(あのひとは)おそろしく鈍感なの。恋の矢が自分の鼻先に向かってても気がつかないの。それで、無自覚に相手に優しくするから火に油を注ぐ」



「外野の人間は(彼女がバイオリンをやめるのは もったいないって)気楽で言うけどさ。どっちも地獄かもよ・・・続けるもの、やめるのも。10代で とてつもない緊張感の中にいて、10代で空っぽになって、そのあと それ以上の興奮も喜びも見つけられないとしたら・・・。ファースト キャリアがピークで、人生が終わる。なのに、父親は現役で音楽の世界にいる。しんどいんじゃない?」



「むかしは楽しそうにバイオリン弾いてたのに、(姉ちゃんは)途中から変わっちゃった。小さいころは簡単に優勝してたコンクールも、そのうち勝てなくなって・・・まあ、化け物がいるからさ。レベルが違うやつら。(中略) なにかを表現するために生きてるひとって いるんだよ。そのひとの中に、いくらでも湧き出る泉がある。それを外に出す方法を探して、勝手に疑問 持って、勝手に研究して、とことん のめり込む。知識も、テクニックも、表現力も、どんどん吸収して化け物になる。あのころの姉ちゃんはカラッカラの泉。表現したいことなんて なんにも なさそうなのに、ムキになって練習してた。まわりに ほめられても一切 喜ばないで、自分で自分に落第点をつけてた。まるで、戦い。勝ちたかったんだと思う」


TBS/2024年2月11日放送
【脚本】
大島里美
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