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推しを召し上がれ 〜広報ガールのまろやかな日々〜・第6話 [推しを召し上がれ]

「わたしの推し、課金ができないんです。コンテンツがマイナーすぎるんです。わたしだって、課金できるものなら したいですよ。でも、投げ銭システムもなくて・・・」
「なに、由寿ゆずちゃんの推しって、そこらへんに生えてる木とかなの?」



「担当の足祐あすけさんは5歳上の美大卒のデザイナーだ。頭のてっぺんから 爪の先まで オシャレ成分が にじみ出てるような、どう見ても(わたしとは)文化的生息域が異なるひとだ」



「出る杭は粉砕される社会で生きてきた。(女は)いちばんになっては いけなかった。ひとと違っても、目立っても いけなかった。そんな土地は、21世紀のいまも まだ存在するのだ」



「由寿の実家は、田舎の小さな集落にある。しかも、彼女は(東日本大)震災を経験している。(住む場所があってよかった。生きてるだけで恵まれている――。)言うほうは なにも意図していなかってであろう その類いの言葉を、由寿は自分でも意識しないまま、心の奥で十字架にしてしまった。慎ましく生きなければならないと思ってきたのだ。無自覚に積み上げられた そんな十字架を背負った人間が、自由主義社会のシンボルのような東京にやって来た。勤務先は大企業の広報部。市場の ありとあらゆる最先端の情報を、目からも、耳からも摂取しなければならない。必死に食らいついてはいるが、そんな環境の変化に由寿の精神が追いついていない」


テレビ東京/2024年2月14日深夜放送
【脚本】
阿相クミコ/【原作】宮木あや子
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