「大地さんのおとうさん、怖いひとだった。怒鳴るとかじゃないけど、こっちが間違ってる気にさせる」
「生きていると、思いがけないことが起こる・・・いいことも、悪いことも。それをいくつも乗り越えるうちに、鈍感になる。鈍感ってことは、生きやすさでもある。でも、感動もなくす。だから、人生の醍醐味を味わいたいなら、自分に慣れないことだ。慣れて、自分も まわりの人間も、雑に扱わないことだ。向き合って、感謝して、必要なら謝る。いまなら間に合うぞ、若いんだからな、みんな」
「ぼくが学校に来れるようになるには、いろんなひとが必要だったけど、学校で最初に助けてくれたのは、どんどん話しかけてくるギャルだったんだよね。強くて、はっきりしてて、カッコよかった。料理ができて おとなしいひとも素敵だけど、それと同じぐらいに あのギャルも素敵なのに・・・どうして変わらなきゃいけないんだろう。ひとに好きになってもらうのって、自分の根っこまで変えなきゃいけないことなの?」
「こういう本物の才能あるひとが(マンガを)職業にするんだよね。わたしみたいな、ちょっと ひとよりは絵が描けるけど、ずば抜けてはないって人間は、どっかで いつも引き際を探してる」
「大地くんは(男はこうあるべき、女はこうあるべきという)わたしの思い込みを責めずに、笑い飛ばした。なんて はつらつとした 思い切りのいい子なのかと思いましたよ。でもね、あのとき笑うまでの時間に、大地くんが どんなに泣いたんだろうって、だんだん気がつきましてね、堀内さん、あなたが おっしゃることは正しい。世間は厳しいです。うちの家族が大地くんと円くんの結婚を賛成したり、応援したところで、風よけにもならない。でも、あなたの心配が ふたりを救いますか」
「わたしは わからず屋でしたが、あなたは 頭がいい わからず屋だ。わたしよりタチが悪い」
フジテレビ/2024年3月16日放送
【脚本】藤井清美/【原作】練馬ジム