「きみは認められたいから鑑識の仕事をしているのか。たしかに、ちゃんと名前を呼ばない上司には問題があるだろう。だけど、そのひとを見返すために鑑識に出てるのなら、それは最低だ」



「現場に鑑識が呼ばれるということは、そこには被害に遭われた方がいらっしゃるということだ。そのひとが生きてるうちに出せなかった声を、ご遺体や、周囲の状況から聞くことが、鑑識や検視官の仕事だ。きみたちが耳を澄まさなければ、亡くなった方の声は誰にも届かない」



「鑑識がラクをしたら、被害者が浮かばれません」


BS日テレ/2023年12月17日放送
【脚本】安井国穂椙下直哉