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アンチヒーロー・第1話 [アンチヒーロー]

「殺人犯として生きるということは、どういうことだと思いますか。『人殺し』『生きる価値なし』『人間のクズ』『死んで償え』――有罪が確定した瞬間、こんな言葉があなたに浴びせられます。見ず知らずの他人が、何千、何万というナイフで、あなたの心を平然と刺していくんです。その矛先は、あなただけではありません。家族、恋人、友人、同僚・・・あなたの人生にかかわったすべてのひとが『殺人犯の何々』という称号を強制的に与えられるんです。罪のない人間が犯罪者と同じ扱いをされるんです。むしろ殺人犯として牢屋で過ごすより悲惨かもしれませんね」



「あなたが真摯に罪と向き合い、更生したと判断されれば、刑を終えることはできます・・・法律上は。でも、それは あなたが罪から解放されたわけではありません。過ちを犯しても やり直せる。日本はそんな優しい国――とでもお思いですか。(中略) 法律というルールの中では許されても、リアルな世界では、一度 罪を犯した人間を許す気なんかないんです。どんなに心を入れ替えたとしても、出所した先に自分の居場所なんかないんです。幸せになんか なれるわけないんです。やがて絶望し、もう一度 ひとを殺すか、自ら命を絶つか、待っているのは そんな未来だけです。殺人犯になった時点で、あなたの人生は終わります。仕方ないですよ。だって・・・ひとを殺してるんですから」



「ハリネズミだよ。検察は今回 決定的な証拠をつかめていない。だからこそ、防犯カメラ、指紋、目撃証言、DNA――様々な証拠をかけ合わせて、なんとしてでも有罪にもっていこうとする。それは 自ら ひとつひとつの証拠がとても弱いと自白しているようなものだ。ハリネズミだって、何千もの針がなければ ただのネズミだ。1本の針じゃ弱いから、複数の針で戦ってこようとするんだ」



「弁護士は、被告人である依頼人の正当な利益を守る保護者だ。たとえ どんなに残虐な犯人だとしても、有罪判決が下されるまでは無罪として扱われ、保護されるべきである。この時点で(被告人の)緋山ひやまさんを犯人だと決めつけるような弁護士は、いますぐ辞めたほうがいい」



「証拠を用意して、有罪を立証するのが検察の仕事――。だとしたら、われわれ弁護士は その検察が出してくる証拠を ただ握りつぶせばいいんだ」


TBS/2024年4月14日放送
【脚本】
山本奈奈宮本勇人李正美福田哲平
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