嫌な女・第６話（最終回）

「世の中は年寄りだらけ。（中略）　遅かれ早かれ、その死亡率は100パーセント。もれなく全員が死ぬの。死から逃れられないなら、死に方を考えて当然」

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「弁護士稼業はそんなに高潔なものじゃない。被害者だけでなく、加害者にも弁護士がつくのは当たり前でしょ。被害者だと思った依頼者の言い分がいつも正しいとも限らない。なんの義もない人間を助けた結果、正直な人間を苦しめることもある。弁護士はその狭間はざまで苦しみ、悩み続ける孤独な稼業よ。仕事に生きがいや正義を求めてはいけない。善と悪のどちらも受け入れる覚悟が必要なの」

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「人生の閉じ方に迷っていたとき、なっちゃんが入院してきた。家族とのつながりが細くなって、自分の後始末の仕方に悩んでいるって言ったら、バカみたいって笑われてね。家族のつながりがないなら、迷惑かけてもいいひとを作ればいいだけだ。生き残ったひとが、死んだひとの後始末をすれば、ビリっけつでも大丈夫。すぐにまた新参者がやって来るからって」

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「弁護士なんてね、つまんない仕事よ。誰かを救えると思ったら大間違いだし、感謝されるどころか、相手に憎まれることだってある。期待するようなドラマも起きないし、感動や達成感が引っ切りなしに訪れるわけでもない。ただ、粛々と毎日の仕事をこなすだけ。でも、誰かの思いを届けたり、誰かの心をほんの少しでも軽くしてあげることができたときは、ちっぽけな やりがいを感じるわね」

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「死んだあとのことなんて、考えたって仕方ない。大事なのは、どう "生きまくる" かよ。ピンクの棺桶に入るのもいいけど、同じお金 使うなら、わたしは死に際までピンクの口紅つけて、男に色目 使う・・・80になっても、90になっても。みんな、自分の葬式の参列者の数だの、他人の記憶にどう残るかばっかり気にしすぎ。そんなの葬式が終わったら誰も覚えてないし、どうだっていい。だって、人生は誰かに評価されるようなものじゃない」

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NHK BSプレミアム／2016年4月10日放送
【脚本】吉田智子／【原作】桂望実

嫌な女・第５話

「熟年婚活の 『理想の相手の条件１位』 なんだか知ってる？　男の１位は、家事と介護をしてくれる女。女の１位は、経済的保証をしてくれる男」

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「残り少ない人生、ただ年を取って退屈に生きるより、（中略）　たとえサクラ相手でも、恋愛ごっこしたほうが楽しいじゃない。ジジイもババアも、毎日、洗濯物 干して、節約して買い物して、食う寝るを繰り返して、ぼんやり生きる毎日より よっぽど刺激的よ」

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「（損得勘定で熟年結婚して）いざ体が動かなくなったとき、誰が最期の面倒を見てくれるの？　老いた体にムチ打って、連れ合いの家事や介護ができるのは、20年、30年培つちかった愛情があるからでしょ」

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「あなたは これまでたくさん男をだましてきたけど、その瞬間、瞬間は、確かな愛情があった。奪ったもの以上に、与えたものがあった。だから、だまされた男たちは、みんな、あなたを許した。（詐欺の）ノウハウを伝授して子分を増やすのは勝手だけど、あなたのそういう天性まで受け渡せると思う？」

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「大久保さんは厳しい競争社会の中で生き抜いてきて、まだまだ自信もプライドもある。なのに、リタイヤさせられたとたん、肩書を失い・・・なにか支えが、心の突っ張り棒みたいなものが欲しかったんじゃないんですか。うわべだけでも必要としてくれるひと、ほめてくれるひとを求め、捨てられても、またほめてもらいたくて執着し・・・（要するに）プライドの穴埋めをしたいだけ」

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「（次の世代に）バトンを渡した者は似たり寄ったり、同じ悩みを抱えてる。みんな孤独なんです。そして、バトンを渡された者は、いずれ訪れる孤独を覚悟しなきゃいけない。わたしも そのひとりです。でも、（誰にも訪れることなんだと）そう思えば、呼吸するのが少しラクになりませんか。潔くバトンを渡したあとは、孤独を連れ合いに生きていくんです」

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「あたしは夏子が間抜けな女だから弁護してるんです。詐欺師として、目のつけ所はいいけど、あなたがおっしゃるように詰めが甘い。ひとをだますけれど、だましたひとを心から楽しませる。だから、肝心なところでいつもヘマをする。そういう間抜けな詐欺師を（あたしは）守ってるんです」

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「このまま夏子が終わると思ったら大間違いよ。どんなに日陰に追いやっても、光の中に飛び出してくるのが夏子なんだから。土の中に埋めたって、ゾンビみたいに復活するのが夏子なんだから」

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NHK BSプレミアム／2016年4月3日放送
【脚本】吉田智子／【原作】桂望実

嫌な女・第４話

「いつくになっても、あたしは恋したいし、セックスもしたいの。年齢なんて関係ない。笑うほうが おかしい。そういう陰口 叩くのは、男に相手にされなくなった女たちに決まってる。振り向かれるための努力もしないで、年とったことを言い訳に、あきらめてる女たち」

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「年をごまかして、なにが悪いの。オスが若いメスを求めるから、メスが必死で若作りするんじゃないの。そういう女を利用して、バカにする男のほうが痛々しいわよ」

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NHK BSプレミアム／2016年3月27日放送
【脚本】吉田智子／【原作】桂望実

嫌な女・第１話

「理屈でトラブルは解決しない。突破口は人間の感情にしかない」

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「天才なんだよ、なっちゃんはさ。男に夢を見させる天才――。詐欺師なんて、嫌われモンだと思うだろ。違うんだ。愛されるんだよ、詐欺師ってのは。じゃなきゃや、ひとをだませない」

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「（女にだまされる男の気持ちが）理解できないんじゃなくて、認めたくないんだろ。そういう女の存在を」

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「こんぺいとうは大きな釜の中で転がして作られる。あっちこっち ぶつかるうちに、身を守るように突起物ができる こんぺいとうを、自分みたいだって（言っていた）」

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NHK／2016年3月6日放送
【脚本】吉田智子／【原作】桂望実