あきない世傳 金と銀・第8話(最終回) [あきない世傳 金と銀]
「わてに商いの才はあらしまへん。店主の器やないことは、己が いちばん ようわかってる。けど、気づいたんや。人形になら なれるやろて。そや、人形浄瑠璃の人形や。幸いう人形遣いが、魂 吹き込んで、振りも つけてくれたら、わてのようなモンかて、店主の役、やり通せますやろ。(奉公人としてでは)あかん。幸が ご寮さんとして、腕 振るうてこそ、五鈴屋は日本一の呉服屋を目指せるんや」
NHK BS/2024年2月2日放送
【脚本】山本むつみ/【原作】高田郁
あきない世傳 金と銀・第7話 [あきない世傳 金と銀]
「絹は裕福なひとのもの、木綿は貧乏人のもの、言うひともおるけど、絹の おしめをしてる赤子はどこにも おらへん。絹には絹の、木綿には木綿の、それぞれ ええとこが あるんや」
「ときには大金も動かします。そうせな、新しいモンは生まれまへんさかいな。それが産地を支えることになるか、金で縛りつけることになるかは、同じ 前貸し いうても大きな違いですわ」
「商人はそろばん はじいて、利を出してこそだす。ただ、そろばんの入れ方には人間の地金が出るもんです。己の損得だけ考えてるか、われも ひとも 富むようにと、心 砕いてるか。今度の商いでは、惣ぼんの商人としての値打ちが試されますやろな」
NHK BS/2024年1月26日放送
【脚本】山本むつみ/【原作】高田郁
あきない世傳 金と銀・第6話 [あきない世傳 金と銀]
「死んだ徳兵衛がよう言うてたわ・・・惣次は己の商才を鼻にかけてるて。商いは損得勘定だけでするもんやない。あの子には それが わかってへんのや。(中略) 薄情なことばっかりやってたら、いまに足すくわれまっせ」
「あんたは羽二重のような女子や。羽二重は わての いちばん好きな絹や。撚りのない生糸を使て織るさかい、わてのように ひねくれてへん」
NHK BS/2024年1月19日放送
【脚本】山本むつみ/【原作】高田郁
あきない世傳 金と銀・第4話 [あきない世傳 金と銀]
「どうか、商いに励んでおくれやす。旦那さんが一所懸命に働くとこ見せてくれはったら、奉公するモンは どないな辛抱かて できるもんだす」
「近ごろ、『縁と月日』いう言葉が、つくづく身に染みるんだす。(中略) あんさんが五鈴屋に嫁いだんは縁や。お店のために腕を振るえるよう なるには、まだ月日がかかる。やれるだけのことやって、あせらず、あきらめず、縁と月日が満ちるのを待ちなはれ」
NHK BS/2024年1月5日放送
【脚本】山本むつみ/【原作】高田郁
あきない世傳 金と銀・第3話 [あきない世傳 金と銀]
「元禄のころと違て、いまは物が売れん難儀な時代だす。生きるか、死ぬか、そろばんで戦せんならん商い戦国時代だすねや。商いの戦、やってみなはれ。あんさんの武器は、知恵と才覚や。笑って勝ちにいきなはれ」
NHK BS/2023年12月22日放送
【脚本】山本むつみ/【原作】高田郁
あきない世傳 金と銀・第1話 [あきない世傳 金と銀]
「天地が金と銀に染まっている・・・。夕日の輝き、あれが金色。武庫川の川面のきらめき、あれが銀色だ。金と銀は天から与えられた、なによりも美しい色なのだよ」
「ひとをダマさず、高利を貪らず――。柔和と正直は商いの基だす。智ぼん には肝心なものが備わってますのや。あとは売るための知恵でんな」
NHK BS/2023年12月8日放送
【脚本】山本むつみ/【原作】高田郁