ザ・ブラックカンパニー・第６話（最終回）

「いま会社の重役であるひとたちのほとんどは、かつて企業戦士と呼ばれていました。景気も良くて、働く場所もたくさんあり、働けば働くほど役職も上がり、給料もよくなる時代でした。だけど、いまの時代は違います。不景気で、働く場所も、ひとも、得られる給料も限られている。むかしとは違っているのに、仕事に対する姿勢や、会社に対する利益だけは、その企業戦士と同じであることが求められる。若者たちも、せっかく入れた会社で、認められたい、同期には勝ちたい、ほめられたいと奮い立つ。けれど、頑張り続けていると、自分はどこまで頑張ればいいのか わからなくなるんです。そんな気持ちをうまく利用し、若者の心を抑えつけ、思考を取り上げ、使いつぶそうとするひとたちがいる。これがブラック企業を生み出す原因であり、ヤンキーバーガーが、大溝さんを過労死させてしまった原因であると思います。残業代削減のため、サービス残業が生まれ、休日返上が当たり前になり、やがて、過重労働で亡くなるひとが増えた。それは『過労死』という言葉となり、国際的な共通語になるほど、大きな問題となりました。そんな中、やっといま日本は働き方改革というものを掲げ、変わろうとしています。しかし、その改革が日本中に広がるには、まだまだ時間がかかります。それは企業の甘さでもあり、働く側の問題でもあると思います。社員を使いつぶそうとする企業があるならば、声を上げなければいけない。働く意味や目的を考えることを、やめてはいけない。働いて幸せになることを、あきらめてはいけない。会社もぼくたちも向き合わなければいけないんです。ぼくたちは なんのために働いているのですか。誰かが苦しむ会社じゃなくて、誰もが幸せになれる会社に、ぼくたちは本気で変わりたい」

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フジテレビ／2018年9月24日深夜放送（2018年3月11日、フジテレビTWOにて放送）
【脚本】阿久津朋子／【原作】江上剛
CSで公開されたドラマは、地上波、BSで放送された段階で採録の対象としています